母子家庭が非課税世帯になるデメリットとは?メリットとあわせてわかりやすく解説

「非課税世帯になると、何か損することはないのかな?」

非課税世帯について調べていると、こんな不安が浮かんでくる方もいるのではないでしょうか。

先に結論から言うと、非課税世帯になること自体のデメリットはほとんどありません。

ただ、非課税でいるためには収入を抑えることになります。その「収入が少ない」という状態から、気をつけたい点がいくつか出てきます。

この記事では、非課税世帯の注意点やメリット、理解しておきたいポイントについて解説します。

もくじ

非課税世帯になること自体のデメリットは、ほとんどない

さきほども解説しましたが、非課税世帯になっても、それだけで何かを取り上げられたり、損をしたりすることはありません。住民税の負担がなくなって、むしろ助かる場面のほうが多いくらいです。

世の中には「非課税世帯のデメリット」として、いろいろな注意点を並べている記事もあります。

ですが、その多くは「非課税だから」ではなく「収入が少ないから」起きることなんです。

「収入が少ないことのデメリット」が、自分にとってどのように影響するかで、デメリットが見えてきます。

次の章で、収入を抑えることで気をつけたい点を見ていきますね。

非課税でいる(収入を抑える)ことで、気をつけたいこと

非課税世帯でいるということは、収入をある程度低く抑えるということです。そこから、いくつか気をつけたい点が生まれます。

①生活や貯金に使えるお金が少なくなる

収入を抑えるぶん、たくさん働いて稼いだ場合に比べて、生活や貯金に使えるお金は少なくなります。

教育費や老後にそなえる貯金に回せる金額も、どうしても少なくなりがちです。

だからこそ、限られたお金をどう使うかという家計管理が、これまで以上に大切になってきます。お金の知識を少しずつ身につけて、お金を守る工夫が必要です。

②将来の年金が少なくなることがある

収入が少ないと、自分の将来受け取れる年金にも影響することがあります。ここは、加入している年金の種類で少し話が変わります。

国民年金の場合、非課税世帯の方は免除申請すると、保険料の全額免除を受けられる可能性があります。ただ、免除を受けた分、将来受け取れる年金は減ってしまいます。

会社の社会保険(厚生年金)に入っている方は、低い給与で加入し続けると、将来受け取る厚生年金の額が、高い給与で納めてきた場合に比べて少なくなります。

厚生年金は、納めた保険料が多いほど将来の年金が増える仕組みになっているためです。

③病気やケガで休んだときの手当が少ない場合がある

これは、会社の社会保険(健康保険)に入っている方の場合です。

健康保険には、病気やケガで長く仕事を休むときに生活を支える「傷病手当金」という仕組みがあります。この手当の金額は、給与のランク(標準報酬月額)をもとに決まります。

そのため、低い給与で働いていると、いざというときに受け取れる手当も少なくなります。

なお、自営業などで国民健康保険に加入している方には、原則としてこの傷病手当金はありません。ご自身がどちらの保険に入っているか、確認してみるのが安心かと思います。

④キャリア形成で不利になることがある

働く時間を抑えると、仕事の経験や実績が積み上がりにくくなります。そのぶん、ご自身のキャリア形成の面では不利になる場合があります。

「子どもが成人したら、たくさん働こう」と考えている方もいると思います。でも、子どもが大きくなったころには、自分自身も年齢が上がっています。

その時に、働く時間を抑えた影響で実績が少なく、「働きたいのに採用してもらえない」という困ったことになるかもしれません。

子育てが一段落すると、手当や養育費はなくなり、自分の生活費は自分で稼ぐ必要が出てきます。将来、子どもに頼らなくてすむように、今のうちから少しずつ先のことを考えていけたら安心ですね。

課税ラインをぎりぎり超えてしまうと損することも

働く時間を調整して、非課税世帯に抑えている人も多いかと思います。

しかし、うっかり働きすぎて非課税のラインをほんの少し超えてしまうと、住民税が発生するうえに、これまで受けていた優遇からも外れてしまう場合があります。

そうすると、ほんの少し収入が増えただけなのに、かえって手元に残るお金が減る、という逆転が起きるのです。

非課税のラインぎりぎりで働いている方は、自分の収入がどのあたりにあるのか、知っておくと安心です。具体的な年収の目安は、以下の記事でまとめています。

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親と同居している場合、世帯分離には注意

親と同居している方の中には、非課税の優遇を受けるために「世帯分離(住民票の世帯を分けること)」を考える方もいるかもしれません。

ただ、世帯分離をすると、かえって損をする場合があります。

国民健康保険料が増えてしまったり、受けていた手当が受けられなくなったりすることがあるためです。

世帯の状況によって結果が変わるので、手続きの前に、お住まいの役所で確認してみてください。

非課税世帯の優遇は自動的に受けられるわけではない

非課税世帯になっても、黙っていれば自動で優遇が受けられる、というわけではありません。

たとえば国民健康保険の軽減は、非課税世帯なら自動的に免除されるわけではなく、申告が必要です。

また、子どもの就学援助制度など、申請しないと受けられない制度も多いです。

「対象だったのに、申請を忘れて受けられなかった」とならないよう、利用できそうな制度は、申告が必要かどうかもあわせて確認しておきましょう。

非課税世帯のメリットとは?

ここまで気をつけたい点を見てきましたが、非課税世帯には、もちろんメリットもあります。

住民税の負担がなくなるだけでなく、暮らしや子育てを支える、いろいろな制度の対象になりやすくなります。

【非課税世帯が受けやすいメリットの例】

  • 物価高騰対策などの給付金
  • 保育料が軽くなる
  • 小・中学校の就学援助制度
  • 高校生等奨学給付金
  • 大学の給付型奨学金
  • 親子の医療費の負担が軽くなる

子育て中の家庭にとっては、心強い仕組みだと思います。それぞれの制度については、このブログの記事でもくわしくまとめているので、あわせて読んでみてください。

母子家庭の非課税世帯は得?それとも損?

ここまで読んで、「結局、非課税世帯でいる方が得なの?それとも、たくさん稼ぐほうがいいの?」と感じた方もいるかもしれません。

これは、一人ひとりの状況によって違うので、どちらが正解というものはありません。

体力に余裕があって働ける時期なら、収入を増やして将来にそなえる。それもひとつの形です。

一方で、体調のことや子どもの年齢を考えると、今は収入を抑えて、子どもとの時間や自分の健康を大事にしたい時期もあります。

子どもやご自身の状況、貯金や家族の助けは受けられるのかなどを総合的に考えて、検討することが大切なのだと思います。

非課税世帯のデメリットに関するよくある質問

最後に、非課税世帯のデメリットや注意点に関するよくある質問を紹介します。

非課税世帯であることは、周りに知られますか?

基本的に、自分から言わなければ知られることはありません。住民税の課税・非課税は個人の情報なので、勤め先や近所に通知されるようなことはありません。

非課税世帯だと、ローンやクレジットカードの審査に通りにくい?

非課税であること自体が理由で、必ず審査に落ちるわけではありません。ただし収入や勤続年数などは審査で見られるため、収入が少ないと影響する場合はあります。

一度非課税世帯になったら、ずっと続きますか?

いいえ、毎年の所得で判定されます。収入が増えれば、翌年から課税世帯に変わります。反対に、収入が減れば非課税世帯になることもあります。

まとめ:非課税世帯のデメリットより「収入が少ないこと」に備えを

非課税世帯になること自体のデメリットは、ほとんどありません。気をつけたいのは、非課税でいるために収入を抑えることから生まれる影響のほうです。

具体的には、使えるお金が少なくなること、将来の年金や手当への影響、キャリアの面での不利。これらを知ったうえで、今の自分に合った働き方を選んでいけたらいいですね。

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