子どもの医療費は、無料または少ない負担で受けられる自治体が多いですよね。でも、親(自分)の病院代は実費になると思っている方が多いのではないでしょうか。
実は、ひとり親には親の医療費も助成される制度があります。
シングルマザーが体調を崩すと、働けなくなって収入が減り、そのうえ病院代もかかる。ダブルでつらい状況になりがちです。だからこそ、知っておいて損のない制度だと思います。
今回は「ひとり親家庭等医療費助成制度」について、なるべくわかりやすくまとめてみました。
ひとり親家庭等医療費助成制度とは
ひとり親家庭等医療費助成制度は、ひとり親家庭の親と子どもが、病気やケガで医療機関にかかったときの、健康保険の自己負担分を助成してくれる制度です。
ポイントは、子どもだけでなく親(自分)の分も対象になること。
よく知られている「子ども医療費助成」は、子どもの医療費だけが対象です。一方こちらは、親の医療費もカバーされます。ここが大きな違いです。
「自分の病院代まで助けてもらえるの?」と、はじめて知ったときは少し驚きました。
ただし、住んでいる地域や所得によって、無料になるか少額の負担が残るかは変わってきます。
すべての人がまったくの無料になるわけではないため、気になる方は市区町村の役所などで問い合わせるのが確実です。
無料になるかは自治体によって異なる
「ひとり親は病院代が無料」と聞いたことがあるかもしれませんが、実際に無料になるかどうかは自治体によって異なります。
全くの無料になる自治体もあれば、少額の自己負担が残る自治体もあります。自己負担が残る場合、1回あたり数百円や、医療費の1割となっていることが多いです。
また、住民税が非課税の世帯は自己負担分をすべて助成、課税世帯は少しだけ負担が残る、という仕組みの自治体もあります。
私の地域の場合は、「福祉医療費受給者証」を病院の受付で提示すれば、ありがたいことに医療費が全額無料でした。
お住まいの地域では実際にいくらになるのか、申請前に役所で聞いておくと、あとで「思っていたのと違った」とならずにすみます。
ひとり親家庭等医療費助成制度の対象者はどんな人?
ひとり親家庭等医療費助成制度の対象になるのは、収入や子どもの年齢などの条件を満たした人です。
詳しくは、次のとおりです。
【ひとり親家庭等医療費助成制度の対象になる人】
- 18歳になった後、最初の3月31日まで(高校を卒業する年度の終わりまで)の子どもを養育している
- 健康保険に加入している
- 所得が一定の基準より少ない
- 生活保護を受けていない
子どもの年齢は「18歳未満」と思われがちですが、正確には「18歳になった後の最初の3月31日まで」とされていることが多いです。(障害のある子どもは、20歳未満まで対象になる自治体もあります)
なお、生活保護を受けている場合は、もともと医療費の負担がないため、この制度の対象外になります。
年収が多くても対象になる場合もある
ひとり親家庭等医療費助成制度は、多くの場合所得が一定基準より少ない人が対象になります。
「所得が少ない人」と書きましたが、この「所得」は年収とは別のものです。
ざっくり言うと、年収から経費や控除を引いたあとの金額が「所得」になります。年収そのものではないので、「うちは収入が多いから対象外かも」と思っていた方が実は対象だった、ということもあります。
所得の基準は、児童扶養手当と同じラインで判定する自治体が多いです。児童扶養手当を受けている方は、医療費助成も対象になっているケースが多いと思います。
なお、令和7年(2025年)1月以降、所得制限の基準額が引き上げられた自治体もあります。以前に「所得が多くて対象外」と言われた方も、今は対象になっているかもしれません。
具体的な基準額は自治体ごとに違うので、お住まいの市区町村の公式サイトで確認してみてください。
ひとり親家庭等医療費助成制度で助成対象になるお金は?
この制度で助成されるのは、健康保険がきく医療費の自己負担分です。
病院や歯医者の窓口で払う自己負担分(ふだんは3割、未就学児は2割)が、その対象になります。
風邪で内科にかかったとき、子どもを小児科に連れて行ったとき、歯の治療を受けたときなども対象です。
また、通院だけでなく、入院の医療費も含まれます。保険のきく診療であれば、幅広くカバーされます。
処方された薬の代金(院外の薬局で払う分)も、保険診療の一部として対象になることが多いです。
そして、子どもの分だけでなく親(自分)の分も対象になります。
我が家の場合は、自分が病院にかかったときも、子どもの歯医者のときも、病院の窓口で福祉医療費受給者証を出すだけで無料になりました。
助成の対象にならないものに注意
この制度で助成されるのは、あくまで「健康保険がきく医療費の自己負担分」です。そのため、次のようなものは対象外になります。
- 入院したときの食事代
- 個室などの差額ベッド代
- 健康診断や予防接種
- 歯の矯正・美容整形など、保険のきかない治療
- 高額療養費などで戻ってくる分
- 学校でのケガ(日本スポーツ振興センターの給付が優先されます)
特に入院は、医療費そのものが助成されても、食事代や部屋代で意外とお金がかかります。
歯の矯正に関しては、医療上必要になると判断された場合、自治体によっては支援の対象になる場合があるようです。
「入院=全部タダ」ではない、と頭の片隅に置いておくと、いざというとき慌てずにすむと思います。
ひとり親家庭等医療費助成制度の申請方法
ひとり親家庭等医療費助成を受けるには、お住まいの市区町村の役所の福祉課などで申請が必要です。
ひとり親になったら自動的に始まるものではないので、自分で手続きをする必要があります。
おすすめのタイミングは、離婚の手続きや児童扶養手当の申請をするときです。
同じ窓口でまとめて相談できることが多いので、「医療費の助成も受けたいのですが」と一緒に伝えてみると、二度手間になりにくいです。
申請が通ると、医療証(福祉医療証、マル親医療証など、名称は自治体で異なります)が交付されます。
病院の窓口でこの医療証を出すと、その場で負担が軽くなる、または無料になります。
毎年更新する必要がある
ひとり親家庭等医療費助成制度は、一度申請したらずっと続くわけではなく、1年ごとの更新が必要です。
毎年「現況届(げんきょうとどけ)」という書類を提出して、所得や家族の状況を確認してもらいます。
更新の時期は自治体によってさまざまです。我が家の場合は、毎年6月ごろに書類が届いて、それを提出していました。
提出を忘れると更新できず、医療証が使えなくなってしまいます。案内が届いたら早めに出しておくと、うっかり切らさずにすみます。
ひとり親家庭等医療費助成制度に関するよくある質問(FAQ)
- 子どもだけでなく、親の医療費も対象になる?
-
はい。ひとり親家庭等医療費助成制度は、子どもだけでなく親(本人)の保険診療の自己負担分も対象になります。
- 病院代は完全に無料になる?
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自治体によります。無料のところもあれば、少額の自己負担が残るところもあるので、お住まいの自治体での確認が確実です。
- 生活保護を受けていても使える?
-
生活保護中はもともと医療費の負担がないため、対象外になります。
- 申請はどこですればいい?
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お住まいの市区町村の役所です。離婚や児童扶養手当の手続きと一緒に相談すると、スムーズに進みやすいと思います。
- 医療証を忘れても払い戻しできる?
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はい。いったん窓口で自己負担分を払い、あとから役所で手続きをすれば払い戻されます(償還払い)。領収書が必要になることが多いので、とっておくと安心です。自治体によって申請期限があるので、早めに確認してみてください。
まとめ
ひとり親家庭等医療費助成制度は、子どもだけでなく親の病院代も軽くしてくれる、心強い制度です。
ただし、無料になるか少額の負担が残るか、所得の基準はいくらか、といった中身は自治体によって大きく異なります。
「自分は対象になるのかな」「いくらになるのかな」と気になったら、まずはお住まいの市区町村の役所や公式サイトで確認してみてください。
体調を崩したときに、お金の心配が少しでも軽くなる。そんな制度を、無理なく使っていけたらいいですね。

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